病院長から皆様へ

病院長から皆様へGreeting from Hospital Director

本来は2026年の元旦に書くべきご挨拶文ですが、バタバタしている間に2月になってしまいました。誠に申し訳ございません。
皆様もご存じのように、世の中は年末から現在に至るまで大きな出来事が多々ありました。昨年10月には、高市早苗氏が初の女性総理大臣に選出されました。その後、新総理は高い支持率を背景に解散を表明し、2月8の開票では、自民党は単独で316議席という歴史的な圧勝を成し遂げました。
こういった政局の動き以外に、我が国と中国との関係悪化は改善がみられず、またウクライナやガザでの戦火は収束が見通せません。アメリカのDeal好きな指導者は、西半球の支配をちらつかせ、国際法を無視した行動をとっています。また、同国は1月24日に世界保健機関(WHO)からの正式な脱退を表明しました。世界の大国が、相互扶助の精神や国家の倫理観を急速に失いつつあり、世界はこれまでにない混沌とした状況に陥っています。
今年は診療報酬改定の年に当たります。高市政権においてはすでに、厚生労働大臣と財務大臣間の調整が行われ、今年の診療報酬改定では3.09%というこれまでに類をみない引き上げが決められています。新政権は、このように比較的現在の日本の病院の窮状を理解していただいていると思うのですが、医療費を大幅に引き下げる構想のある維新の会との連携合意など、まだまだ不明な点が多いことも確かです。また、現在の日本の病院の70%が赤字経営で、その平均経常利益がマイナス7%という厳しい状況を、この診療報酬の上げ幅でカバーできるとは到底思えず、病院経営は今後も引き続き厳しい状況が続くものと思われます。
2025年9月号のWedgeという雑誌が、「日本の医療は誰のものか」という特集を組んでいます。この中で、日本の医療を今後持続させていくためには、われわれ国民や医療提供者側がヘルスリテラシーを向上させるべきであると書かれています。軽症でも多くの患者が大学病院に集中していること、出来高払いの病院では本来の適応を超えて多くの検査や投薬が行われていること、などが続けば国民皆保険制度の維持は当然難しくなっていきます。私は、病院経営の一端を担う者ですが、このヘルスリテラシーの考え方は、国全体の医療の継続性を考えた場合、忘れてはならない視点と思っています。
山崎病院は、昨年創立40周年を迎えました。これまで、支えていただいた、地域住民の皆様、関連医療・介護施設の皆様、行政の皆様にこの場をお借りして深く感謝の意を表したいと思います。上記のように、日本の医療界のみならず、日本の政治、経済、そして世界全体が大きくゆらいでいる中、私共は、もう一度冷静に、“医療とは何なのか?” という根源的な問いを考えていきたいと思います。そして、“ここ南彦根に山崎病院が存在している意義”を常に意識しながら、患者さんが安心して、温かい医療を受けることのできる医療拠点を目指して努力していく所存です。
今後とも当院に対するご指導・ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

令和8年2月
友仁山崎病院 病院長
髙橋 雅士

経歴

1977年3月
滋賀県立膳所高等学校卒業
1977年4月
滋賀医科大学医学部医学科入学
1983年3月
滋賀医科大学医学部医学科卒業
1983年5月
滋賀医科大学放射線科研修医
1985年4月
滋賀医科大学放射線科助手
1986年4月
財団法人天理よろづ相談所病院放射線科医員
1989年4月
滋賀医科大学放射線科助手
1993年2月
米国ニューヨーク市Long Island Jewish Medical Center (Albert Einstein College of Medicine)放射線科リサーチフェロー
1995年3月
滋賀医科大学放射線科助手
1997年2月
滋賀医科大学放射線科講師
2000年1月
滋賀医科大学放射線部助教授
2007年4月
滋賀医科大学放射線部准教授
2007年9月
滋賀医科大学病院教授
2014年8月
医療法人友仁会友仁山崎病院病院長
滋賀医科大学非常勤講師
2017年4月
首都大学東京非常勤講師
現在に至る

資格

  • 医学博士
  • 日本専門医認定機構放射線科専門医
  • 日本医学放射線学会放射線診断専門医
  • マンモグラフィー読影認定医
  • 日本消化器がん検診学会認定医
  • 日本がん検診・診断学会認定医
  • 肺がんCT検診認定医
  • 厚生労働省臨床研修指導医
  • AIR(Asian Intensive Reader of Pneumoconiosis)認定読影医
  • 日本医学放射線学会研修指導者
  • 日本医師会認定産業医
  • 日本放射線科専門医会フェロー