
病院長から皆様へGreeting from Hospital Director
当院は1967年に故山崎時雄が彦根市河原町に山崎外科医院を開院したことに端を発します。1985年には、山崎は更に地域住民のための医療を更に推進したいという思いから、ここ南彦根の地に友仁山崎病院を開設いたしました。当初は、消化器内科、消化器外科、整形外科、産婦人科、小児科などを中心とした急性期病院としてスタートしましたが、高齢化に伴う国の施策の影響と地域のニーズを考慮し、2005年に療養病棟を、2014年には地域包括ケア病棟を開設しました。療養病棟は主に高齢者の慢性期疾患を中心に診療を行う病棟です。地域包括ケアシステムとは、2025年をめどに構築が推進されている、患者さんが、住み慣れた地域で自分らしい人生を送れるように医療・介護・予防・生活支援が包括的に提供することができるシステムです。その中核となる病棟が地域包括ケア病棟です。この病棟には、急性期医療を終わられた患者さんが、もとの生活に戻るための準備をしたり、高齢者施設、在宅医療への円滑な橋渡しをお手伝いしたりしています。また、高齢者施設や在宅にお帰りになられた患者さんが急変した場合などの、その受け入れを行ったりしています。在宅医療にも訪問介護ステーションを中心に力を入れており、また、昨年より医師を派遣し、病院として本格的に地域の在宅医療への貢献を目指しています。
当院の特徴のひとつに、胃や大腸などの消化管を対象とした消化器内科診療があり、県内でのトップレベルの検査件数(平成29年度 内視鏡総件数 13719件)を誇っております。消化器内視鏡センターでは、日々、多くの患者さんに、食道や胃、大腸などの消化器に対する検査や治療を内視鏡を用いて提供しています。内視鏡での診療は患者さんの体の負担も少なく、がんの浸潤がまだ早期の場合には、外科治療ではなく内視鏡での切除が可能で、治療後の社会復帰や食事の開始も早期に可能です。一方、大きくなった腫瘍は内視鏡では対応が難しいことがあり、そういった患者さんには外科手術を受けていただきます。そのために、消化器外科と連携を取りながら診療しています。手術は腹腔鏡を用いたものが主で、術後の患者さんの負担が大幅に軽減されます。また、がん以外にもヘルニアや胆石、虫垂炎などの手術も行っています。
さらに当院は、透析センターを有し、慢性腎臓病の患者さんの透析医療を行っています。対象は外来での透析を必要とする患者さんでしたが、現在は入院患者さんへの透析医療にも力を入れています。また、当院は伝統的に人間ドック、健診事業にも開院以来力を注いで参りました。これらの予防医学診療はすべて日本人間ドック学会認定医が担当し、また画像診断はすべて医学放射線学会専門医が担当しています。
提供した医療が患者さんにとって本当に質の高いものなのかを常に検証するために、当院は2005年3月にISO9001:2000を取得し、2008年版、2015年版と更新を行ってきました。国際的な品質マネジメントの手法や標準的な考え方を病院の自己評価や改善活動に取り入れることによって、少しでも患者さんのためになる質の高い医療を目指す活動を日々展開しています。
このように山崎病院は、様々な種類の急性期から慢性期の医療を患者さんに提供しています。このような病院をケアミックス病院と呼びますが、山崎病院は“地域のニーズに応え、信頼される良質のケアミックスを提供できる病院”を目指しています。当院には、必ずしも多くの職員が在籍している訳ではなく、また潤沢な数の医療機器を有している訳ではありません。施設にも経年劣化が目立ちます。慢性的な医師不足の解決の目途は立っておらず、また看護、介護系職員の厳しい人材確保の問題も有しています。しかし、私たちは、これらのハンデを乗り越えて、“小さくてもきらりと光る病院”を目指していきたいと考えています。
今後ともご指導のほど何卒よろしくお願いいたします。
https://medicalnote.jp/contents/190128-006-HO
(Medical Noteのインタビュー記事)
令和元年6月3日
友仁山崎病院 病院長
髙橋 雅士
経歴
- 1977年3月
- 滋賀県立膳所高等学校卒業
- 1977年4月
- 滋賀医科大学医学部医学科入学
- 1983年3月
- 滋賀医科大学医学部医学科卒業
- 1983年5月
- 滋賀医科大学放射線科研修医
- 1985年4月
- 滋賀医科大学放射線科助手
- 1986年4月
- 財団法人天理よろづ相談所病院放射線科医員
- 1989年4月
- 滋賀医科大学放射線科助手
- 1993年2月
- 米国ニューヨーク市Long Island Jewish Medical Center (Albert Einstein College of Medicine)放射線科リサーチフェロー
- 1995年3月
- 滋賀医科大学放射線科助手
- 1997年2月
- 滋賀医科大学放射線科講師
- 2000年1月
- 滋賀医科大学放射線部助教授
- 2007年4月
- 滋賀医科大学放射線部准教授
- 2007年9月
- 滋賀医科大学病院教授
- 2014年8月
- 医療法人友仁会友仁山崎病院病院長
滋賀医科大学非常勤講師
- 2017年4月
- 首都大学東京非常勤講師
現在に至る
資格
- 医学博士 放射線科専門医 マンモグラフィー読影認定医 日本消化器がん検診学会認定医 日本がん検診・診断学会認定医 肺がんCT検診認定医 臨床研修指導医 AIR(Asian Intensive Reader of Pneumoconiosis)認定読影医